クリスマスパーティを思い出した。1セメスターは早いものだね、と現地オランダ人学生、EU、アジアからの留学生とワインを煽りながら、次のセメスターはどこへ飛ぼう、と語らったことが昨日のように感じる。この場所で、一年を締めくくるパーティが始まった。
「Architectura Annual」。デルフト工科大学は、毎年このタイトルで、
010Publishers から建築年鑑を出版している(GAでも購入できる)。その記念パーティーと重ねて一年を締めくくる。今夜も長い夜となるのだろう。
ブックデザインは、オランダ人デザイナー
Joost Grootensが今年も担当している。
「Metropolitan World Atlas」で2006年「世界で最もすぐれたブックデザイン」で金メダルを獲得したことは記憶に新しい。しかし、彼は既に5冊(5年間)のデルフト年鑑を世に贈り出している。表紙カバーは、ひたすらその年の出来事を日付と共に記述していくカレンダーのフォーマットを採用する。出来事のコンテンツがメモリアルであればあるほど、記述量(情報量)が増えるということに着目して、このフォーマットとしたのだろう。従って、出来事の粗密のパターンが、ランダムに月ごとに季節毎に年毎にに変容する。色も年度で変えている。コレクターもうなぎのぼりと、
Deanは吠えていた。審議はよくわからない。内容は、硬派といって間違いないだろう。一目で売らせるビジュアル重視の本が出回る昨今と比べて、驚くばかりに、たんたんとリサーチラボ、グラデュエーションプロジェクトの解説、展覧会やその他オープンレクチャーのコンテンツを文字と画像をバランスよく盛り込み記述していく。オールドファッションだ。折りに触れてスタジオのレクチャーに聞いたことがある。「Research by Design」と一喝された。煙にまかれる思いもしたが、Berlageの
「hunch」と好対照で在り続けることが彼らのアイデンティティと理解した。
Erasmsの学生達は、これを終えると各々の故郷へ帰還していく。1年間の海外でのエキストラな時間は、きっと豊かな経験に違いない。卒業を1年延ばす、というと、日本ではネガティブな印象がついてまわる。欧州では身のある経験と見なされる。このギャップはよく質問されるのだが、僕は旨く応えることが出来ないでいる。しかし、1年というのは、このワインを飲み干すのと変わらず、あっという間だった。クールハースのマスタープランを担当した
アルメラでのプロジェクト、ロッテルダム・アムステルダム・ユトレヒトの都市公園再生プロジェクト、そしてアフリカ・ザンビアでの1ヶ月。今夜も別れの抱擁を去り往く友人と繰り返した。別れのキスも慣れ始めた1年だった。そして、また一年が始まる。